本書は【韓勅碑】と【鄭道詔書】から漢字を選択して編集した本です。習字や臨の参考書です。【韓勅碑】は【禮器碑】とも云われて禮器碑は魯の相、韓勅が孔子廟に祭器の碑を造りました。山東省の曲阜孔子廟にあり孔廟禮器碑とも云われています。四面に文字が彫られており表面に彫られたものを碑陽の書と云われて他を碑側、碑陰の書とも云われます。この廟には乙瑛碑、史晨碑もあり、緊密で重厚な点画と力強い波磔の乙瑛碑に対して禮器碑は横画、縦画ともに変化に富んでいて悠揚迫らない風趣があります。精妙でもあり理知的なところは漢隷第一と称されています。しかしその評価は宋代以降で清代の王、翁方綱等が漢隷の極則と認められてからでした。