この絵は青緑の彩りで描かれた山水画で山と石は墨線で輪郭を描き細い筆で皴を入れてます。
赭石色を下地にして淡い石青を主にして染めています。
近景と中景では石緑を加えて補っています。
前景の木々は様々な生き生きとした構図で幹の描写は緻密であり非常にリアルで、
全体の画面の中心となっています。
一方で葉の描き方は簡略的で赤い色点を強調するために
"秋の山は明るく清澄で化粧をしたよう"な雰囲気を引き立てています。
全体の構図は広々としており筆のタッチはまだ濃いですが色と墨がバランスを保ちながら、
画面のスタイルは洗練されており優雅で力強い文人の生活を表現しています。

絵の左上には詩が添えられています。
「千の木、秋風に万の葉舞い、林の小道、苔に覆われて斜めに日光が差す。
歩く音の響きが歌と共に遠ざかっていく中でまだ余韻が赤い点となって服に残っている。」