『金罍賡韻 徐三庚作品集』は、2026年に生誕200周年を迎えた清代後期を代表する
書法・篆刻の巨匠・徐三庚(じょ さんこう)の偉業を称えるために刊行された記念図録です。
浙江省博物館、西レイ印社、杭州博物館という中国を代表する三大機関が共同で編集を手がけ西レイ印社出版社から発行されました。
本書の最大の特徴は徐三庚の書法作品50点、篆刻作品70点、銘刻3点を網羅していることです。
特に、これまで一般に公開されていなかった20点もの秘蔵の書画・篆刻の傑作が初めて収録されており
彼の芸術的探求の軌跡をたどる上で学術的にも視覚的にも極めて価値の高い資料となっています。
徐三庚は浙江派の力強さと安徽派の優美さを融合させ「呉帯当風(ごたいとうふう)」と称される流麗で俊逸な作風を確立しました。
本書では彼が生涯にわたり傾倒した『天発神諞碑』の影響や、石如・呉譲之の篆書(てんしょ)を
継承しつつ独自の境地を開いた「刀筆相生(とうひつそうしょう)」の神髄を高精細な印刷技術で余すところなく再現しています。
また作品の鑑賞だけでなく付録の「徐三庚年表」を通じて彼が左宗棠や恭親王といった清朝の高官、
あるいは任熊や蒲華といった同時代の芸術家たちと築いた広範な交流関係を知ることもできます。
8開の上製本(ハードカバー)に函入りという堂々とした装丁は彼の芸術の華やかさを体現しています。
金石愛好家や書道・篆刻の研究者はもちろん中国の伝統芸術に魅了されるすべての読者にとってまさに必携の1冊となることでしょう。