この図は江南の山林の光景を描いて峰々がそびえ立ち茂みが茂り山道が深く曲がっている。
画家は薄墨と長さの異なる長い線で山並みを出し点線で山頭を形作る。
皴筆の疎密さ濃淡が山並みの明暗をよく表している。
山間部の茂みはやや濃い墨で枝の輪郭を描き葉は濃淡の異なる墨点で群がっている。
図下部の山の斜面はすべて薄墨でにじみ出ている。
近景の1列の樹木の3分の2の部分は淡墨で描かれているが木の頂部の木の葉は濃い墨で点をつけ、
煙嵐の浮動する自然の光景を表現することに成功している。
作品の中には人物の活動を描いておらず画家はペンで円潤で意図的に描かれていないが、
五代、北宋初関仝、範寛はペンで質実で風格が雄大で壮美な絵画に比べて秀逸静寂で、
ぼんやりした美しさを表現し非常に成功した山水作品である。
これは画家が水墨の運用においても境地の造営においても成熟していることを体現しており、
中国山水画が5代の時に高いレベルに達したことを十分に説明している。
本図には名金が配置されておらず詩堂には明董其昌の題に「僧巨然真筆神品」の数字があり、
絵の中にはそれぞれ「宣和殿宝」、明初「式典紀察司印」半印、清内府などの鑑蔵印があり、
「石渠宝笈初編」が記録されている。

ISBN：9787548011088
出版日:2012年4月
言語:中国語(簡体)
ページ:8
商品サイズ:B3　42.2 x 37.8 x 0.5cm
商品重量：300g
発送方法：定形外郵便